[原料米] www.tawaraya-saketen.co.jp
昔からよい酒米(酒造好適米)を使用すると、よいを造ることが容易で、健全な酒母がとれ、
垂れの多い芳醇な、しかも、秋上がりのする、飲んでうまい酒ができるといわれ、酒造家はそのた
めの原料米の選定に頭を悩ませてきました。
−酒米の条件−
(1)心白が鮮明に中央にあること:破精込みのよい糖化力の強いができる。
(2)大粒豊満でかつ大きさの揃いがよいこと。
(3)タンパクや脂肪の含量が低いこと。
(4)外硬内軟で蒸米のさばけがよいこと。
(5)ミネラル(カリウム、リン酸など)が適量含まれること。
現在栽培されている酒造好適米の中で、評価の高いものに、「山田錦」と「五百万石」があります。
・山田錦 :大正12年(1923)兵庫県立農事試験場にて、「山田穂」と「短稈渡船」を人工交配。
昭和11年(1936)誕生。その後、数々の酒米品種の交配親となる。最高級品種。
・五百万石:昭和13年(1938)新潟県農業試験場にて、「菊水」と「新200号」を人工交配。
昭和32年(1957)誕生。酒造好適米品種の中で、全国第1位の作付け面積を持つ。
日本在来(人工交配がはじまる以前)の品種には、下記のようなものがあります。
・亀の尾:山形県余目町の阿部亀治が明治26年(1893)に「惣兵衛早生(冷立稲)」から選抜。
東日本の良食味米系譜のもととなる。
・強力 :鳥取県東伯郡下中山村の渡邊信平が、明治24年県内外から21品種を取り寄せ、
選抜して命名する。
大正10年(1921)鳥取農試が純系分離した10系統中から好適米として2号を採用。
・雄町 :岡山県高島村雄町の岸本甚造が安政6年(1859)に伯耆大山詣で持ち帰り、
慶応2年(1866)に選抜した。
岡山農試の第2次の純系分離種(大正7〜11)が現在の「雄町」である。
また各地でも改良され30以上の地域品種があり、「山田錦」など多くの酒造好適米の
交配親にもなった。
これらの品種はどれも、110cmを超える長稈で倒伏しやすく、又、いもち病に弱いため、低収です。
しかし、これらの在来品種は今後も保存していく必要がある。
<引用> 「最新 日本の酒米と酒造り」 編著 前重道雅 小林信也
<推薦図書> 「自然農法・わら一本の革命」 春秋社 福岡正信 著
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